
SCOPE Summitは、臨床試験・デジタルヘルス分野における世界最大級のカンファレンスであり、今年で16回目の開催となります。世界30カ国以上から4,000名超の業界関係者が集結し、最新のイノベーションや業界トレンドについて熱い議論が交わされました。
【イベント概要】
イベント名:SCOPE Summit 2025
開催期間:2025年2月3日(月)〜6日(木)
開催地:Rosen Shingle Creek(アメリカ・フロリダ州オーランド)
主催:Cambridge Healthtech Institute
公式サイト:https://www.scopesummit.com/


この度、当社は2025年2月3日〜6日、米国フロリダ州オーランドにて開催された『SCOPE Summit 2025』に参加いたしました。
SCOPE Summitは、臨床試験・デジタルヘルス分野における世界最大級のカンファレンスであり、今年で16回目の開催となります。世界30カ国以上から4,000名超の業界関係者が集結し、最新のイノベーションや業界トレンドについて熱い議論が交わされました。
2025年は以下の 全15のConference Program が展開され、当社も各セッションにて最新知見の収集とネットワーク形成を行いました。
【SCOPE Summit 2025 Conference Program一覧】
- Feasibility & Study Start-Up
データ駆動型のフィージビリティ・治験医師選定や、スタートアップ効率化・運用負担軽減の最新技術・事例共有。 - Patient-Centric Trial Design & DEI(Diversity, Equity & Inclusion)
患者の声を取り入れたプロトコル設計、多様性確保に向けた実践的な戦略・ツールの紹介。 - Clinical Supply & Logistics
サプライチェーンの最適化、製品・プロセス・患者をつなぐ戦略的なオペレーション手法。 - Budgeting & Resources
予算管理、リソースプランニング、契約管理の最新動向とケーススタディ。 - Decentralized & Hybrid Trials (DCT)
分散型およびハイブリッド型試験の実践例、技術革新による新たな試験モデルの展望。 - Investor Conference
臨床試験におけるベンチャー投資、イノベーション促進、パートナーシップ事例。 - Quality & Monitoring
リスクベースドモニタリング、中央・リモートモニタリングによる品質管理手法。 - Recruitment & Engagement
患者募集・エンゲージメント最適化の最新事例、テクノロジーを活用したアプローチ。 - Site Engagement & Enablement
治験実施施設(サイト)との連携強化、実行力向上に向けたコラボレーション戦略。 - Data
データ戦略、解析手法、機械学習・AIの活用によるデータドリブン型治験運用。 - Biomarkers & Precision Medicine
バイオマーカー、バイオスペシメン技術の革新と運用最適化。 - Outsourcing
アウトソーシング戦略の成功事例と、アライアンスマネジメントの最新手法。 - Real World Evidence (RWE)
リアルワールドデータの活用事例と、治験への応用に向けた取り組み。 - AI for Clinical Trials(NEW)
生成AIを含むAI技術による治験最適化事例、実践的な活用法。 - Small Biopharma Strategies
バイオベンチャー・小規模企業向けの試験設計やベンダーマネジメント戦略。

【主な学び・今後の展望】
今年は特に「生成AI活用」「患者中心設計」「リアルワールドデータ(RWD)の高度活用」が大きなテーマとなり、臨床開発の未来像を強く感じる内容となりました。日本国内の治験・臨床研究においても、これらの潮流は今後避けて通れない重要テーマになると考えております。
今回の参加を通じて、約300名の方々と情報交換を行い、グローバルネットワークを大きく広げることができました。特に印象的だったのは、各ブースを回る中でAIを取り入れたITベンダーの出展が非常に多かったことです。どの企業もAI技術を活用したプロダクトやサービスを積極的に展開しており、AIを中心とした技術革新の勢いを肌で感じました。
その一方で、技術革新のスピードが非常に早く、各社が提供するシステムも次々とレガシー化するリスクを感じました。もはや自社ですべての技術を内製・提供するには限界があり、各分野の最適なパートナーと柔軟に組み合わせながら、常にその時点でのベストなソリューションを組み立てる重要性を強く実感しました。
また、今回の参加を通じてアジア地域に対するニーズの高さも改めて確認することができました。グローバルベンダーは多数出展していましたが、アジアでの実績や知見はまだまだ不十分であり、文化的な違いによる難しさにも直面している印象を受けました。
当社としては、こうした背景を踏まえ、アジア市場での存在感を強化することが今後の重要な使命であると再認識いたしました。アジアでの実績を積み上げるとともに、グローバル企業とのパートナーシップをさらに強化し、臨床試験の最適化に貢献してまいります。